「夜なかなか寝付けない」「途中で目が覚めてしまう」「朝、起きても疲れを感じる」
年をとると、眠りづらさを感じているシニアが増えています。
床につく直前までテレビを観ていたり、ベッドの中でスマホを眺めたりしていませんか?
電子機器の眩しい明かりは、生体リズムを狂わせることがわかっています。
そんな時は、生活習慣を少し変えてみましょう。
簡単にできて、眠りづらさを改善する気持ちの良いストレッチをご紹介します。
寝る前に習慣化することで全身に血流がめぐり、緊張がゆるみ、脳をお休みモードにしてくれます。続けるうちに質の高い睡眠が得られるようになり、翌朝の目覚めもスッキリします。
全身のストレッチからふくらはぎと股関節ほぐし
①<仰向けの姿勢で>
両足開いて、足の裏でバイバイをするように股関節から揺らします。
頭を右に左にゆっくりと揺らします。
両膝を立てて、右側にバタン、左側にバタンと交互に倒します(3往復)。
②<全身のストレッチとバナナのストレッチ>
両手はバンザイ。吸う息で全身を上下に気持ちよく伸ばして、口から「ハ~」と一気に吐いて緩めます。
両足を閉じて右側10センチに移動。両手はバンザイのまま、右手で左手首をもって右側遠くに引っ張ります(頭の先にスペースがない場合は、両肘を曲げて持ってもよい)。
左の脇をじゅうぶん伸ばしながら3呼吸。(反対も)
③<ふくらはぎのマッサージと股関節回し>
両膝を立て、右脚のふくらはぎをもう一方の膝に乗せ、前後に押し付けるようにしながら筋肉をマッサージします。ふくらはぎは「第2の心臓」とも言われ、下半身の血流を心臓に戻すポンプの役割を果たしてくれます。
そのまま右膝を右手で持ち、ゆっくりと手の届く範囲で右膝を回します(左膝は伸ばす)。股関節のソケット部分をほぐし、老廃物を流します(反対回しも)。
(反対も同じように)
骨盤周りを緩めてめぐりを良くする
④<脚の裏側ストレッチと臀部のストレッチ>
右太ももの裏を両手で持って右足裏のかかとを天井に押し出す。吐く息で手前に引いて、脚の裏側(腰、もも裏、ふくらはぎ)を伸ばします。3呼吸。
その流れから、次に右足外くるぶしを左膝に乗せ、右膝は開きます。両手で左もも裏を抱えて胸に近づけます(この時、右手は逆4の字になった穴の中を通して左もも裏を持つ)。
右のお尻や腰回りの筋肉のストレッチを感じながら、ゆったり3呼吸。下半身に滞りやすい血流やリンパの流れを促します。
(反対も同じように)
⑤<ガス抜きのポーズ>
両膝を両手で抱え、吐く息でじんわりと胸に近づけます。
頭をゆっくり持ち上げ、おでこを膝に近づけ、さらに体をボールのように小さくなって、ボールを膨らますように大きく深呼吸。終わったら両手をほどいて大の字に。全身の力が抜ける感覚を味わいましょう。良質な睡眠をとるには、骨盤周りを緩ませてあげることが重要なポイントです。
背屈で緊張、最後はゆだねて熟睡モードへ
⑥<うつ伏せの姿勢で>スフィンクスのポーズとチャイルドポーズ
両足は腰幅より広めにとり、肩の下に肘がくるようにして上体を引き上げます。背骨を斜め上に引き上げるような意識で、体の前側(お腹から胸にかけて)を伸ばします。首の後ろ側もまっすぐ伸ばします。
腰が痛い人は両手を重ね、その上におでこを乗せて数呼吸。
両手を胸の横について、ゆっくりお尻を持ち上げて体を起こし、そのままお尻を後ろに引き、両膝を軽く開いて。腰を丸くして気持ちよく伸ばし、重ねた手におでこを預けます。
⑦仰向けのがっせきのポーズ
両膝を立て、足の裏を合わせて両膝を開きます。
⑧やさしいねじりのポーズ
最後は仰向けに。両足は腰幅より広くして両膝を立て、ゆっくり右側に倒し、やさしいねじりで力を抜きましょう(顔は天井か左に向けて)。数呼吸。右足を左膝に乗せてもよい(反対側も同じように)
両手両足を天井の方へ上げて、軽く手首と足首をゆらしてから力を抜いて下ろします。
そのまま大の字になって力を抜き、瞼を閉じて体の内側の部分が緩んでいく感覚を味わいながら、ゆったりと吸って、吐いての呼吸に意識を向けましょう。
<注意点>
安全に行うために、まずは以下の点を配慮しましょう。
●病気が原因で睡眠障害を起こすことがあります。例えば、睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害、あるいは狭心症や心筋梗塞による胸苦しさ、前立腺肥大による頻尿、関節リウマチによる痛みなど、眠りづらさが持病に起因する場合があります。心当たりのある方は、必ず医師の診察を受けて、必要な治療を行うことを前提とします。
●関節や腰、膝、足首などに痛みがある方も、必ず医師に相談してから行うようにしましょう。
ストレスマネジメント / 三浦真津美 先生
<活動内容>
自身の経験から、中高年・シニア世代は新たなライフ・ステージに向かうにあたって、弱りがちな心と体をケアすることが必要と思い、「エムズ・セルフケア」を設立。
ヨガをベースに、呼吸法、アロマ、セルフマッサージ、エクササイズ、メディテーションなど、様々な観点から、セルフケアやストレスマネージメントについて指導を行っている。
<所属>
エムズ・セルフケア