見た目だけではダメ！美しい姿勢は内側から整えるのが重要

2021.11.05

見た目だけではダメ！美しい姿勢は内側から整えるのが重要

美しい姿勢を作るとき、みなさんはどうしていますか？胸を張り、あごを少し上にあげてませんか？腰をそったりしていませんか？
見た目だけを美しくしようとすると、体に無理が働き、腰痛の原因になったり、関節が変形したりする場合も。
大切なのは、内側から整えること。インナーマッスルを効かせて、カラダに無理のない美しい姿勢をつくりましょう。

美しい姿勢って？どんな姿勢？

美しい姿勢ってどんな姿勢をいうのでしょう。

見た目ではなく、背ぼね・関節が変形しないカラダをつくるために必要な姿勢は、インナーマッスルをちゃんと働かせて、トリックモーション（代償動作）のない姿勢をいいます。

正しい立ち方は、足の親ゆびの付け根、足の小ゆびの付け根、かかとの３点をしっかりと床につけ、人差しゆび、中ゆび、薬ゆびも床に軽く接地させます。

次に足裏で床を押し、骨盤底筋を引き上げましょう。
肩、首をリラックスさせ、肩甲骨はお尻の方に下げておきます。
深呼吸をし、吐いた呼吸で肋骨を締め、お腹が背骨のほうに引き込まれるような感覚をキープしましょう。
骨盤は床に垂直に立っている状態です。

すべての関節がロックしているような状態ではなく、インナーマッスルで支えられている状態が理想です。

立ち姿勢のトリックモーション（代償動作）

では、逆にどんな姿勢が背ぼね・関節の変形を引き起こす姿勢なのでしょうか？

足裏３点は床に接地していても、ほかのゆびが浮いている状態（浮きゆび）。
または、親ゆびや小ゆびが浮いている状態。
そして、いい姿勢を作ろうと頑張っている人や女性に多いのが、胸を張って、肋骨が開いている状態。
この場合は、お尻が上を向いて骨盤が前傾し、腰が沿っているパターンも多いです。

逆に腰のそりがなく、猫背。
臀筋の力が弱く、骨盤が開き、O脚になっているパターン。
これらは、腰痛やひざの痛み、肩こり、外反母趾、脊柱管狭窄症などを引き起こす悪い姿勢です。

姿勢チェックをしてみよう！

トリックモーション（代償動作）を起こしている姿勢と正しい姿勢の区別はなかなか自分ではわかりません。

でも、自分で判断できるチェック方法があるので、日常生活に取り入れてみるのがおすすめです。

まずは、椅子に座ります。お尻の左右の骨（坐骨）を椅子に垂直に立てるように座ります。次に体を前に傾けてみましょう。

両手は背中の背骨を挟むようにある脊柱起立筋という筋肉を軽く触ります。
前傾姿勢では、脊柱起立筋はピンと張って緊張しています。

だんだん、体を起こしてくると、脊柱起立筋がふわっと緩む箇所があります。脊柱起立筋は背骨を支えているアウターマッスルです。
緊張させ続けてしまうと腰痛の原因になることもあります。背骨を深層で支えているインナーマッスルである多裂筋を優位に働かせるために、脊柱起立筋が緩むポジションをチェックしてみましょう。緩む箇所がわかったら、そこで姿勢を維持するようにしてみてください。
首、肩、背中や腰も楽に感じると思います。

その姿勢がノントリックモーションです。

ノントリックモーションは普段から

トリックモーション（代償動作）は、座る、歩く、掃除機をかける、髪の毛を洗う、床のものを拾うなど、さまざまな日常動作に潜んでいます。

トリックモーションは100回くらいしても、私たちの健康には何の害もありません。
しかし、10年、20年、30年と長い間、何万回も繰り返すことで背骨や関節が変形していきます。

例えば、足を組むという動作もそうです。10回くらい足を組んでも骨盤には変化が見られませんが、何十年も繰り返し、クセになってしまうと、骨盤がゆがみ、側弯症を引き起こします。

ノントリックエクササイズでは、毎日のこうしたトリックモーションを引き起こすクセをなおし、足ゆびを使う、骨盤底筋を締める、肋骨を締めるという、正しい姿勢を作るために必要な動作を毎日お伝えします。

繰り返し、繰り返し、エクササイズすることで、身体にとって「いいクセ」になり、痛みのない体を作ることができるのです。ノントリックモーションエクササイズは、毎日行うことに、意味があります。

フィットネス / 谷口功次先生

＜活動内容＞
理学療法士としての経験や知識を活かし、医学的な観点からの運動指導を行うメディカルトレーナー。悪い姿勢や間違った歩行動作の改善に特化した「一生運動し続けられる身体づくり」と、それを活かした生活習慣病予防のための運動療法に力を入れて活動を行っている。

＜所属＞
ムーヴ・ライク・フローイング

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